東京大学名誉教授でもある畑村洋太郎著の 『失敗学のすすめ』 を読みました。
本書は失敗というものを、過去に起きた事件の解説から、それらをいかに分析(分類)し、何を学びどのように活用していくか、といった失敗とのうまい付き合い方を提案した、ちょっと面白い試みの本
でした。
なかでも私が興味を持ったのは、ハインリッヒの法則 が 『失敗』 にも当てはまるという指摘でした。そもそもハインリッヒの法則は、潜在的な労働災害が顕在化する確立を体験的に導き出したものだそうで、1件の重大災害の裏に、29件のかすり傷程度の軽災害があり、300件のヒヤリとした体験があるというものです。
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著者曰く、大きな失敗の裏には、相当な数の見過ごしてしまった小さい数の失敗があり、あらためて言うまでもないことですが、いかに小さな失敗に気づき、その成長を止めるかが、大切だということになります。
また、失敗の分類方法はとても参考になると思います。
(こちらでは触りだけご紹介いたします)
1. 無知 … 予防法や解決法がすでに解明されているのにも関わらず、本人の不勉強による
2. 不注意 … 注意を怠ったことによる
3. 手順の不順守 … 決められて手順を守らなかったことによる
4. 誤判断 … 状況を正しく認識できていなかったことによる。
5. 調査・検討の不足 … 必要な知識・情報の不足による
6. 制約条件の変化 … 制約条件が時間の経過などにより変化したことによる
7. 企画不良 … 企画そのものに問題があることによる
8. 価値観不良 … 個人または組織の価値観が外部と違っていることによる
9. 組織運営不良 … 計画を進めるための組織に能力を有していないことによる
10.未知 … 予期できない事態が起こったため
先日ある会議で1つの事故が起きた際に、関係者のひとりが、「これからは細心の注意を払いましょう!」とまとめていたのには正直相当ショックを受けました。これは失敗というものがいかに平面的で多くの場合個人帰属的に考えられていることの裏返しなのだと理解しましたが、しかし本質はもっと立体的で、複雑、有機的であることを理解しておく必要があると感じます。
ただ、最後に付け加えておきますが、私自身は失敗は生きていくものでつきものだと確信しています。失敗がないというのは成長がないということだとも思っています。
『失敗学のすすめ』 畑村洋太郎著
プロローグ「失敗に学ぶ」
第1章「失敗とは何か」
第2章「失敗の種類と特徴」
第3章「失敗情報の伝わり方・伝え方」
第4章「全体を理解する」
第5章「失敗こそが創造を生む」
第6章「失敗を立体的にとらえる」
第7章「致命的な失敗をなくす」
第8章「失敗を生かすシステムづくり」
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